【詳解】角換わり右玉の対策

今回は角換わり右玉の対策を紹介していきます。右玉は非常に難しい戦型で、アマチュア強豪からプロまでさされており、多くの学習者にとって苦手とされる戦法と思います。そこで今までの実戦やソフト読み筋を参考に対右玉で重要な局面を詳解しました。この記事の内容をあらかた覚えれば実戦でも対応できると思います。一手一手を覚えるというより、手順というか組み立て方を参考にしていただけると実戦で多少形の違う場面になっても応用できるはずです。結構超手順進めてしまうので初学者にはあまり親切ではないかもしれませんが、将棋盤動きますので動かしながら見てみてください。

いきなり△65歩


右玉に対しては、早繰り銀や地下鉄飛車も有力ですが、今回は最もオーソドックスな対処法について解説していきます。通常の角換わりでは48金型に組むことが多いですが、右玉に対しては58金とするのが良いとされています。


39手目の局面では自然なのは、△65歩、△62金、△44歩、△44銀らへんと思います。順にみていきましょう。△65歩とするのがぱっと思いつく手ですのでまずはその変化から見ていきます。▲同歩も有力で、△同桂▲66銀△39角には、▲65銀△28角成▲64歩(A図)で先手優勢。しかし今回は▲55歩とする手を見ていきたいと思います。▲55歩に△66歩なら▲54歩△同銀▲56銀△55歩▲45銀△63銀▲64歩△同銀▲54銀で次の▲45桂が厳しく有利。5筋と3筋を突き捨てて▲18角が狙いです。▲54歩△同銀▲33桂成の筋は参考になる手ですね。91手目▲53歩まで入れば先手が勝てそうです。

△44銀


次に△44銀の変化を見ていきます。それに対しては68銀~67銀と雁木に組み替えるのが定跡です。相手が8筋を交換してきたら▲87金で対応すればOK。以下は▲98香から▲99飛で9筋を狙えば先手が良くなるでしょう。
87金型を作られると後手もまずいので後手が8筋を交換しないことも多いです。次はその変化を解説していきます。


8筋を交換してこないときは右から動いてしまいましょう。△36歩に▲同銀ととって攻めるのがなかなか見えにくいですが、この場合は効果的です。基本的に右玉相手に55桂を打てたらペースを握れていることが多い印象です。73手目の65歩では75歩と攻めるのも有力で、実戦で似た局面になったときにどちらが効果的かきちんと読めるようになっているとよいですね。64歩まで進めば筋に入っていると思います。

次に△62金の変化を見ていきます。

△62金

△62金とすれば、▲29飛まで進みそうです。この局面では、33桂、53銀、65歩が考えられますので順にみていきましょう。

33桂には45歩と動いていきます。銀を逃げると35歩で悪いので勢い取るしかありませんが、激しく戦って先手有利です。60手目で49飛に代えて39飛なら、▲47角打△69飛成▲68金右△39竜▲67銀△55桂▲75歩と進みます。そこからのソフト最善は△47桂成▲同角△37角ですが、▲74歩△46角成に▲92銀!が良い手で先手やれそうです。
92銀
次に29飛の局面から65歩と仕掛けてくる手を見ていきます。

65歩と仕掛けてくる手はいろいろなタイミングであるためなかなかこの形にはどうするというものを完璧に覚えることは難しいですが、いろいろな対応策を知って、適切な場面で応用できるようになってほしいと思います。今回は▲48角で対応する手段を解説していきます。狙いはシンプルで、本譜のように▲92歩~▲93歩で香車を取ることです。▲65香まで進めば先手がよさそうですね。

次に△53銀の変化を見ていきます。それに対しては79玉から組み替えて地下鉄を狙っていきます。△53銀は穏やかな手なので、地下鉄に組み替える発想が出てくるわけです。相手は動いていきたいですが、桂交換をすると本譜のように▲84桂の筋があるため厳しさの中にあるといえます。

△44歩

△44歩

最後に39手目の局面で△44歩とする進行を見ていきたいと思います。この進行は現在プロ間でも指されることが多く、打開をめぐって難しい将棋になります。逆に言うと相手から△44銀と打開する手段が消えているので、ゆっくり指すこともできるといえます。それに対しては先手は雁木に組み替えるのが普通です。77桂に対して後手の有力手はfloodgateで調べたところ△51玉、△53金、△22金のようです。まあ人間目には何指したらいいかわからん局面というのが正直なところでしょうか。△51玉は次に△42玉としたいんだろうなというのはわかりますが、△53金、△22金は何がしたいのかわからないですね。この2つに関しては時間があったら追記します。

先手としては△51玉の瞬間は不安定なのでここで仕掛けていきたいところです。3筋から6筋まで全部つき捨てて▲64歩で、無茶苦茶なようですが△同銀、△72銀は▲54角、△54銀は▲72角があるため攻めは成立しています。以下は△62玉▲63歩成△同金▲34角が考えられる例で、先手がやれると考えられています。

▲17角からの仕掛け

△51玉に対して、▲17角とする仕掛け方もあります。70手目△46歩の局面は以下は▲45桂△52金▲38銀△95歩▲32と△96歩が考えられる進行で若干後手がやれるとされていますが、このような仕掛け方も対右玉ではあるので覚えておくとよいかもしれません。
この変化は、「角換わり腰掛け銀の探求」にも載っているので、詳しい変化を知りたい方は見てみてください。

角換わり腰掛け銀の探究 (マイナビ将棋BOOKS)
徳田拳士
マイナビ出版
2024-07-12



まとめ
①相手が動いてこなさそうだったら、雁木に組み替えて地下鉄飛車を狙う。
➁8筋を歩交換されたら▲87金で上部に厚みを築く。
➂△65歩から動いてきたら、▲69飛や▲48角でカウンターを狙う。
大雑把に書くとこんな感じです。割と実戦の中で感覚をつかむ必要がある部分も多いので、そこは練習するよりないと思います。やるほうもやられるほうも間合いが難しいので、ぜひ周りに右玉をやる人間がいたら相手玉との距離感を意識しながらやるとよいかもしれません。

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